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2012年9月23日 (日)

zkzk/ 遠藤不比人『死の欲望とモダニズム』



遠藤不比人
『死の欲望とモダニズム ― イギリス戦間期の文学と精神分析』

(慶應義塾大学出版会)

 まるでしゃべるように書き、書くように語ると言われる遠藤不比人氏は、今を生きる「言文一致男」と言っても過言ではないかもしれません。ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』に「父親の胸の只中の真っ赤に裂けたヴァギナに、自らのペニスを暴力的に挿入する息子ジェイムズという光景」を読んでしまうくだりなど、「あまりに先鋭ですわ」といった反応を引き出すかもしれませんが、全体としては、暴力的なものをいかにことばの力で飼い慣らすか、その作業に丁寧に執拗にこだわった書物だと言えそうです。ウルフを俎上に載せ、クラインやフロントに踏みこむのは当然としても、キャサリン・マンスフィールドやメイ・シンクレアが登場するあたり、「お、そうくるか」と思う人もいそうです。

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